学校・先生への支援
ポルポト政権下でおきた教育制度の崩壊の影響で今でもカンボジアの教育現場には問題が山積みです。 私たちは、子どもたちが学校できちんと学べる、そんなあたりまえの“学校”をめざし継続してサポートしています。
先生がいない・何もない

支援を開始した2007年当時、先生の平均給料は月30ドル。 その給料も国からの遅配が慢性化し、地域住民の支援を受けて最低限の生活が出来る状況。 自ら進んで先生になろうとする人材はいませんでした。
小学校の児童一人当たりにつく1年間の政府予算は僅か1.5ドル。 授業に使う教具はおろか、生徒が使う鉛筆やノートでさえほとんど揃えることが出来ませんでした。
私たちの取り組み
学校が建っても国からの予算が全く足りないがゆえに学校運営は非常に厳しい現状です。 私たちは現地のニーズを汲み取ったハード・ソフトの両面から支える活動に取り組んでいます。

校舎・施設の寄贈
先生や地域住民と必要なものは何か話し合い、 校舎や井戸、トイレや図書室、教員宿舎やグラウンドを寄贈してきました。

先生の給与助成
先生たちが教職に集中できるようになるため 一人あたり月30ドル以上の「教員教育助成金」を支給してきました。

教材購入費の助成
授業が成り立つ最低限の教材を揃える為、 生徒一人あたり年間2ドルの「教育支援助成金」を 支援校に支援しています。

美術教室
技能科目の授業がほとんど行われていないカンボジア。 現地の絵画教室の力を借り、月に一度絵画指導を継続しています。

体育・音楽教室
現地訪問を希望する大学生や都内の提携高校と協働し、 支援校の子どもたちに運動や音楽教室を実施しています。

先生向け体育技能講習
経験不足の教員の方へ、音楽や体育の指導講習、日本への見学研修の実施等、「先生の学び」の支援に取り組んでいます。
活動の成果

地域のモデル校に
地道に続けてきた成果が形に見え始めました。 支援当初は考えられなかった「学校に先生がいる」「鉛筆とノートを使って学べる」「学校をきれいに」などが “当たり前”となり、未就学、中退、進学者といった情報も管理されるようになりました。 これらの学校運営は対外的に認められ、タットム小学校は郡のモデル校として表彰されています

カンボジア政府が校舎増設を決定
小学校さえなかったトロピアンプレイ地域に小学校を開校し、 続いて中学校・高校、そして2,500㎡の大グラウンドを寄贈しました。 そこに2020年2月、「地域が協力しあって教育環境を支えている」という事が評価され、 カンボジア政府が校舎増築を決定。 同国で活動して12年。 政府が校舎を増築するという話を聞くのは初めてのことです。